補正と発振

柒號機 45 シングルだが、周波数特性を測ってみると高域にかなり暴れがあるので、負帰還の微分補正をちょっと増やしたら低域発振が再開。結局あちらを立てればこちらが立たず、という状況になり、発振するよりはマシだということで補正は少ないままに放置する。
しかし James の OPT は、809 シングルに使った時もそうだが、まともに負帰還がかけられないくらい位相が回るようだ。たったこれくらいの負帰還量でトラブルとは。広帯域でインダクタンスが大きく、スペック的にはいいトランスなんだけどなあ。こういう経験をすると、ミラー効果何それ美味しいの食べられる?とばかりにX7あたりで 45 や 2A3 をドライブして無帰還、なんてアンプはトラブルの起きようもなく、カマボコ型の特性が容易に得られるという点でファンが多いわけだなあ。利得をある程度稼ぎ、低インピーダンスで出力段をドライブし、負帰還でダンピングファクタを実用に耐えるくらいまで持っていこう、なんて欲張ったことを考えるとこういう目に遭う。
ある程度理屈で回路を考えると、低い回路インピーダンスで広帯域のアンプを作ろうなどと考えてしまうが、そうなると余程いいトランスを使わないと補正に補正を重ねることになり、それはそれで単純にいい音のアンプを作りたいという欲求とは矛盾する気もする。N7二段直結あたりで前段を組み、ハモンドなどの超高域がすっぱり落ちてるトランスを使ったほうが簡単にそれなりのものが仕上がるように思う。
ま、所詮自作なので、こうやって失敗や対策を繰り返しつつ、今思えば楽しい日々がフルスピードで過ぎてゆきそしていつか大人に変わるそんなことに気がつかない、という感じだな。もう James のトランスは使わん。