バックロードホーンのキットを作ってみる

 アンプを作り始めているのだが、それと同時にあふれる工作欲を満たすためにスピーカーが作りたくなった。しかし俺の設計能力とスペースなどを考えると、小型フルレンジのバスレフくらいしか作れないので、同じようなスピーカーがまた増えてしまう。
 そこで思いついたのがバックロードホーンであるが、これまた自力でなんとかするにはハードルが高すぎる。そこで安価なキットを作ってみて、バックロードホーンとはどのようなものであるかを後学のために理解してみようと考えた。ついでに余っているユニットも活用できる。
 購入したキットは、安価なバックロードホーンの定番であるBearhorn BW-800 である。ユニットはこれまた定番の SA-F80AMG が手元に余っている。このユニットはほんとに鳴らすのが難しくてあれこれ試した挙げ句放置していたものである。
 キットは9mmのMDFによる簡素なものだが、こんな小さなものでも結構板数は多く、作るのも案外大変だった。ちなみにバッフル穴は Fostex 向けに 73mm なので、Tang Band 系の 8cm ユニットを装着するためには若干穴を広げる必要がある。もちろん薄い MDF なのでヤスリでゴリゴリやればすぐだが、
 マニュアルのとおりに板を接着して、バンドで縛って重しを載せて一晩放置してから塗装する。ダイソーのニスを二本使ったら、叩いたときの音が「ポコポコ」から「カンカン」になったのでそれでよしとする。吸音材は、マニュアル通りの空気室に加えて、ホーンの出口前の壁にもニードルフェルトを貼った。これは出口が直角のバックロードホーンはここで定在波が出やすいとどっかで聞きかじったからである。
 で、こういう感じで使っている。
[:W1024]
 音はこんな安いキットなのに期待していたよりもよくてちょっと驚いた。バスレフで適当に使うと低音は出すぎるわ高音はうるさいわというユニットだが、低音がはっきりしているので高音のうるささもあまり気にならない。まあ薄い板の小さなエンクロージャだから大音量にすれば破綻するかもしれないが、デスクトップには十分である。いい買い物だったし楽しい工作だった。そして大型のものを自分で設計して作るのは絶対に無理だということも分かった。スピーカー自作派の人は偉大だ。