キノコ

仕事で大学に行ったついでに研究室から Tang Band のキノコ(W3-517SA)を持って来て、自宅の Prism 3.0 に入れてみた。

なんかユーモラスでかわいい。元々ついていたユニットは無塗装の角フレームだったが、この黒い丸フレームのユニットの方があつらえたみたいでよく似合うと思う。音はというと、思惑通り低音の量感はほぼそのままにちゃんと高音が出るようになった。W3-517SA は数字の上では他のユニットより上が出ていないようにも見えるが、グラフを見ると、他のユニットが比較的低い周波数からロールオフが始まってそこから 20kHz までだら下がり気味であるのに対し、比較的高いところまでほぼフラットで、そこからのロールオフが急峻であるという性格を有する。したがって聴感上は高音が強くなるわけだ。
ほんとは同じ 3.0 でも太鼓の方が音がいいという話もあって、オレも頷けないではないのだが、奥行きが 30cm もあるスピーカーを机の上には置けない。大学ではスペースに余裕があるので机を壁からかなり離している上に、ちょうど出窓になっていてさらに空間を稼げるから太鼓でも問題ないのだが。Prism はボトムバスレフなので置き場所をあまりきにしないですむ点がメリットなわけで。
しかし nOrh 3.0 を三種類使った経験から思うのだが、これってある意味偶然の産物として成立してるのではないかという気もする。小さくてシンプルなものの方がそもそものアイディアが理想的に体現されうるというか。nOrh のスピーカーは他にも 6.1SM と Classic 7.0 を使ったことがあって、どれも非常によかったけれど、あくまでできのいいユーロ2ウエイで、この 3.0 シリーズみたいな完全に独自の世界(特に太鼓の音は本当に個性的だ)を持っているかというとそこまでではないようにも思われる。もうちょっとだけスケール感が欲しいから、それこそ Vifa の5インチフルレンジを使った一回り大きなモデルでもあればいいんだけどなあ。