自作するということ

何故真空管アンプに凝っているのか、というと、へっぽこギター弾き上がりとしては真空管に対するなんとはなしの憧れというか親近感が抜き難くあるということに尽きる。色付け上等、出音への関与上等。自分が気持ちよければ万事オッケー。見た目もなんだかかっこいい。更に若い頃にギターアンプを少し弄った経験から、ハンダ付けや高圧回路にさほど抵抗がないということもある。
で、真空管というのは自作にとても向いてるデバイスだと思うのだよ。種類が豊富で入手が容易、頑丈で過電圧や過電流でもそうそう壊れない。部品がいちいち大きいのでハンダ付けも楽だし、オレみたいに迂闊で不器用な人間が作っても大失敗にはつながりにくい。安物の真空管に安物のトランスでも案外ちゃんとした音が出ちゃうから楽しい。トランジスタや IC だとそうはいかないからなあ。表面実装系のハンダ付けなんて考えるだにおぞましいし、間違えれば飛んで終わりだ。下手な設計の半導体のアンプって気が遠くなるような音がするし。
だから真空管アンプの定電流回路にトランジスタを用いたりするのも、有用性は分かるのだが飛ばしたりするのが怖くて手を出せない。以前 Counterpoint のプリアンプで電源を飛ばした痛い経験も関係してるかもしれないが。オレの知能でも理解できる範囲、オレの世界で三番目くらいに不器用な手でも作れる範囲が自作の対象ってわけだな。