整流管番外

前回のエントリでも少し触れたが、溜まってる整流管の中には弐號機に使えないものもある。6V4 や 6CA4 などの MT 管や、6AX5GT のようにヒーター電圧が違ったりピン配列が違っているものはもちろん、定格が満たないものもやはり使えない。オレの手持ちでは GE 5Y3GT と Raytheon 5W4 がそれに当たる。で、初號機 45 シングルではどちらも使えるので試してみた。もっとも 5Y3GT は本来このアンプで使っているものだから、5W4 がこれと比較してどうか、という話である。
5W4 なんてものは 350V/100mA しか流せないし特に効率がいいわけでもなく、ほとんど忘れられているようなメタル管の直熱両波整流管である。フィラメントは 5V/ 1.5A。同規格の GT 管もある。この間いくつか球を買った AES のセールでついでに購入した。1626 アンプあたりにちょうどいいかと思って。で、そういえばこの球はどういうものなのかと考えて初號機に差してみたわけである。

電圧はほとんど 5Y3GT と同じ。少し高めに出るかな。音はというと、素晴らしいでないのこれ。やや硬質だが、低音がしっかりして上がすっきりと伸びる。これと比べると 5Y3GT は明らかに低音の締まりに欠ける。整流管で動作点が変わることは理解できるが、それが結果としてどのように音質に影響するかを推測できるだけの経験則がまだオレにはない。とにかく、こんな安くてあんまり相手にされない球(たしか 3.8 ドルくらいだったから500円そこそこか)を使ってみると音がいいってのが面白い。最近はでっかい出力管より、あまり電流も喰わなくて出力もささやかなものに関心がシフトしてるから、こういう小さいがゆえに相手にされない類の整流管の選択肢も増える。善哉善哉。