傍熱 6B4G

仕事から帰ってきて、ふと思い立って球箱を整理していたら、Sylvania の 6B4G なんてのが出てきた。ほんものの 6B4G ではなく、傍熱管の保守用途なのだそうで、そういえばこんなものをとても安く買った記憶がある。確か 6AV5GA とかいうテレビの水平偏向出力管を内部で三結にしてピン配列を 6B4G に揃えたとかそういうものだったかな。6AV5GA のデータシートを見ると、あまりプレート損失の大きくない低電圧大電流系のビーム管で、バイアスも深くて三結にすると表面的な数字は 6B4G に近そうな雰囲気はあるな。
てことは零號機をちょっといじれば使えるんじゃないかと思い立ったわけである。せっかく 5881 でいい感じなのにまたいじられる零號機は哀れだが。カソード抵抗を 750Ωにして、球を眺めてみるとヒーターの片方にカソードがつながってる雰囲気なのでそういう風に配線してみる。傍熱 6B4G なんてものの資料がどこにもないのでこのあたりは半分ヤマカンである。結果としてはうまくいって、実質 Ep=235V くらい、Ip=53mA くらいで落ち着いた。もちろんハムバランサなんてものも要らないので、ヒーターの片側をアースに落としていたのを外すのさえ忘れなければ問題ない。
バイアスが深い上にμが低いので初段が 12AX7 の SRPP だと一杯一杯な感はあるが、デスクトップで小音量で使う分にはそれほどゲインも必要ないしよしとしよう。ちなみに音質はなかなかよろしい。ちょっと甘めで落ち着いた感じ。1,000円くらいで買った球にしては高級感のある音といえよう。名前こそ 6B4G だが、まったく違う球だと思えばお買い得である。