VT52/ EL32

秋葉原に部品を買いに行ったのだが、ラジオデパートのサンエイで面白げな球を見つけて買ってきた。カナダ・マルコーニ製の VT52/ EL32。カーラジオなどに使われていた球らしく、ヒーター電流が小さく、プレート損失が 7.5W と 6V6 より一回り小さい感じ。コントロールグリッドがてっぺんに出ているのが使いにくいのか、あんまり使われない球なのだが、非常に音がいいという話を以前どっかで聞いたことがあったのを実物を見て思い出したわけだ。なにしろ1本750円なので衝動買いしても痛くない。
そこでさっそくキャップも買って、過日よりいじり回している自作アンプの出力管のグリッドを外に引き出して装着してみた。スクリーン耐圧が 250V とやや低いので、プレート電流も小さいことだし、整流管を EZ80 に変更して B 電圧を少し下げた。

いかにもへんてこなルックスなのがなんとも楽しい。肝心の音はというと、ちょっとびっくりした。とても力強く、なおかつ広がりがある。低音から高音までバランスよく満遍なく出る。今までこのアンプに差したどの球よりも飛び抜けていい。こういう安くてマイナーな球からいい音が出るっていうのが素晴らしいね。