Pickering NP/AC-S

screw さんお薦めの Pickering NP/AC-S を買ってきた。買ってきたといってもヨドバシの溜まってたポイントで十分だったので一銭も払ってないが。シェルまでついて税込み5,040円だが、シェルはいらないのでもう1,000円くらい安くして欲しいものだ。
早速取り付けてみるが、トーレンスのアームではそれほど大きな針圧をかけられず、カートリッジの自重の軽さに助けられてようやく4gくらいというところ。もうちょっとかけた方が内周歪みなどには有利だと思うけど仕方がない。音を出してみると、流石に大出力で、CD を聴く時と同じボリューム位置で聴くことができるため、ノイズは全く聞こえないレヴェルである。音質はというと、ちょっと伸びとか抜けは足りないけれど (メーカーが表示する周波数特性ですら上が 15kHz までしか出てない) 逆に充実した低音と濃厚な中高音はなかなか魅力。ここだけ取れば Shure V15 TypeIV よりもいい。要するにカートリッジの値段というのは高域特性をどうするかってことを反映してるんだろうな。Hell Freezes Over の180g 盤みたいな近年の高音質録音だとボロが出てしまうけれど、70〜80年代のマンチェスターサウンドなどであればなかなか魅力的に鳴らす。モータウンやフィリーソウルなんかだともっといいだろう。まあ、まだ新品である上に冬でカンチレバーの動きなども十分ではないだろうから、これから高音がもう少し出てくるのかもしれない。
ちなみに Shure と Pickering の中間価格帯に位置するテクニカ AT150Ti とも比較してみたが、AT150Ti の魅力を再認識してしまった (笑)。Pickering より薄口だが、Shure よりむしろ明晰で音場が広くスムーズだ。Dynavector にはかなわないけれど、今なら10,000円未満で買えるので一つ持っていても損はないよ。