測定

6C-A10 シングルアンプだが、ヘッドフォンジャックの接続間違えてたよ!
それはそれとして、やはり使用している球がデータよりも電流の流れやすい球のようで、元の回路では電流が多すぎ、ロードラインに無駄が多いし球や電源トランスにも負担なので、カソード抵抗を 500オームに変更した。これで Ip がちょうど 60mA になる。大変軽い動作なので寿命にも好影響だろう。
そしてうまく動作しなかった WaveSpectra がちゃんと機能するようになったので改めて測定してみた。変更後の回路で、出力は THD=5% でほぼ 5.5W である。5W いけば御の字だと思っていたのでこれはよろしい。ただ、1W でも THD=1% くらいあるので決して低歪なアンプではない。このへんは歪の打ち消しがうまくいってない。ドライバが強力なのがここではマイナスに働いているともいえる。尤も、聴感に悪く影響するようなものでもないので気にしないことにする。歪は出力に比例してリニアにじわじわと増えていく感じで、一応ちょうど5%になるのが5.5W というだけで、10% まで許容すればその時点での出力は 8W を超える。
ゲインはもう一度測ると 23dB、ダンピングファクタが4。僅かな負帰還でこの数字はさすがに低内部抵抗管である。周波数特性も先述のとおり。完全にフラットなのは 40Hz くらいまでで、さすがにシングルでかつあまりインダクタンスの大きくない出力トランスではこんなものか。またやはり高域の盛り上がりが気になるので、初段に積分補正を施すべきだろう。あとで部品箱を漁って適切な抵抗とマイカコンデンサを探してみることにする。
そんなわけで特性の面でも水準はなんとかクリアというところ。音を聞いても悪くないと思うが、最終的な調整を行った上で改めて評価することとしよう。