DAC-AH

家に溜まっているものを職場に持っていって使おうと思い、nOrh 3.0 とか 1626PP アンプなどで研究室用システムを考えているのだが、Mac からの出力を受ける DAC として、そういえば大改造を施したものの結局あまり使っていなかった DAC-AH があることを思い出した。久々に蓋を開けてみるとひどい配線である。ろくに何も分かっていないときに見様見真似でやったものだから、線がぐちゃぐちゃに入り乱れて何が何だかよく分からない。それでいて高級パーツをいろいろ使ってるのだからアンバランスにも程がある。
そこで一旦配線を全部外して、パーツも使えるものは抜いて、ごくシンプルな構成にしてみる。目玉はオペアンプバッファをスキップしたパッシブ化で、単なる抵抗 I/V 変換だからできる技でもある。これで今まで出力部に噛ませていたライントランスや高価な OPA627BP が浮くわけである。実はこれについては数年前に西川さんに聞いていたのだけど、試さずにそのままになっていたのだった。
そこで早速作業。

ピントが手前に合ってしまって分かりにくい写真だが、オペアンプソケットの入力ピンから出力を引き出し、Sprague Atom に ERO のフィルムコンデンサをパラレルで接続して DC を遮断しているだけである。あとは電源の電解コンデンサを増量し、LPF のコンデンサを元の 1000pF から 3300pF に増やしたくらい。
これでもゲインは充分すぎるくらいで、ハイゲインな 45 シングルアンプ直結だとボリュームをほとんど開けることができないほどだ。こりゃバッファが入ってたらどうなったんだろうか。1626PP はこれよりはゲインが少ないがそれでも結構ハイゲインなアンプなので使い方を考えないといけないかも。音はというと、なんていうか乱暴な音であった。こりゃひどいと思いつつ数時間ほったらかしていたらだいぶまともになって、まあ普通に聴ける音になった。低音は相変わらずもりもり出るし、音楽によってはかなり魅力的なところも見せる。
とりあえずこれで新たな投資なしに研究室用システムが構築できそうだ。場合によってはパッシブなボリュームコントローラ兼セレクタでも作った方が良いかもしれないが。