代償行為

新年度が始まって、しかも翻訳の〆切が迫ってたりもして、忙しくてオーディオどころかそもそも音楽を聴く気にさえなれない。物理的に忙しいというよりは精神的な余裕がないというところだ。
そういうときは無駄に物欲ばかりが昂進するものだが、どうも2月あたりからなんだかんだと余裕のない生活を送っていた所為で、気がつけば球をずいぶん買ってしまった。とりあえず 45、71A、6A3、808 あたりはそのうち形にしたいものである。特に 45 についてはもう部品まで揃ってるのに着手する気になれない。連休にその気力が残ってればいいけど。また 45 と 808 については2ペアあるので、一度アンプに仕立てればスペアの出力管があるということであまり気兼ねせずに楽しめるだろう。45 はプッシュプルのアンプを作れるほど揃った球でもないし、808 は見た感じ全く同じものが揃いはしたが、808 のプッシュプルなんて大仰なものを作る気力も技術もなにより財力もない。
幸いなことにどれも高い球ではなく、いちばん高かった Cunningham の刻印 45 と Philco のブラックプレートバネ吊りフィラメントの 6A3(中身はたぶん Sylvania)でペア10,000円くらい。808 に至っては1ペアは NOS が送料込みで8,000円くらいで買えてしまった。だいぶ前に買ったもう1ペアはもうちょっと高かったけど。300B とか 2A3 の一枚プレートとか PX25 とか言い出さなければいわゆる名球でもそこそこの程度のものがこれくらいの値段で買えるわけである。なんだか直熱三極管ばかり増えてしまった。それ以外にも 8025 だの 316A だのもあるからなあ。
そんなわけで、これからしばらくはこういうアンプを作ろう、ああいう風にしようと妄想する材料だけはある。リアルに手を付ける暇と気力がない間の代償行為だけどね。