1626PP 完成

というわけで足りなかった抵抗を買ってきて完成させた。

初段が 12AU6 の三結、位相反転は E81CC のムラード型、出力段は 1626 のA1級PP。整流管は Bendix 6106。トランス類は東栄の電源トランス以外はハモンド。出力は 1.4W くらい、ゲインがたぶん 25dB くらいで、約 8dB の負帰還がかかっている、はずだ。電圧は初段の Ep がやや低いことを除けばおおかた思惑通り。音も一発で問題なく出た。
出てきた音は予想よりずっといい。確かな低音とすっきりした高域。絶対的な出力は別としてかなりパワフルな音で好みだ。特に低域は想定していたより遙かに豊かで、オーバーサイズの OPT がここで生きたか。もうちょっと調整の必要はあるが、初期段階でこれは大成功といっていいだろう。こんな適当な設計といい加減な実装でこんなにちゃんとした音がする。球アンプはアバウトでいいなあ。「でなければならない」に縛られて特性をよくする工夫でがちがちに固めたアンプを作ろうとするから難しいんで、どうせ人間の耳では多少の歪みや雑音は識別できない。だったらもっとおおらかに楽しめばいいじゃないか、と思うわけだ。もちろんこのアンプでも、ハムなんかまるでないし聴いて分かるような歪みもないんだけど、逆に言えばオレ程度の頭の悪い設計でもこのくらいは作れるということで。つか、はっきり聞き取れるようなノイズが出るアンプを作る方が難しいんじゃないか?