CV4060など

以前買い込んで、使いにくくて放置していた CV4060 という球がある。これで何かしようと思ってることはちょっと前に書いたが、データシートを見るとめげてくるなこれ。ヒーター電流とかプレート耐圧とかプレート損失の数字自体は KT88 に近いから似たような球かというと全然違う。まずスクリーン耐圧に 300V という縛りがあるのでプレート電圧を上げられない。じゃあ 280V くらいの三結でどうじゃと思うと物凄くバイアスが深くて、そこそこ Ep-Ip 曲線が立ってるところを使おうとするとグリッド電圧が -50V くらいでないとプレート損失をオーバーしてしまう。要するに低い電圧でドバドバ電流を流して使う球なんだなこれ。そんなトランスねえよ、ってのが正直なところだ。これを無理して使うことはないなあ。だったらやっぱり死蔵してる 6G-B8 とか KT90 あたりを使って普通になんかした方が遙かに利口だ。それならトランスの選択肢も多い上に、球の値段だってそっちのがずっと高いから、死蔵してて勿体無い感は強い。
つうことで今部品調達中の 45 シングルの次は、6G-B8 シングルで固定バイアスのお勉強でもしてみよう。なんでシングルばっかりかというと、そっちの方が好きだということと、予算や技量や置き場所やさまざまなファクタがからんでくるのである。