LAMENTATE

先日久々にタワレコに行って、ペッタションの三番・四番と一緒に買ってきた。
Lamentate
現代の作曲家を聴いていることのメリットの一つに、リアルタイムで新作を聴けることが挙げられるのではないかと個人的には思っている。この作品は、Anish Kapoor という彫刻家の作品(こんなの)にインスパイアされて作られたものなのだそうで、「死」がテーマなのだがいつものペルトに比べると宗教色は薄い。既発表曲の断片が含まれていたりして楽しいのだが、きわめて美しい曲で、明らかに古典的手法への回帰がみられるペルトの最新作らしく感じられる(ラウタヴァーラもそういうとこあるよな)。珍しくピアノが前面に出ていて、ペルト自身は「ピアノ協奏曲ではない」と述べている通り、ソロ楽器としてのピアノとオーケストラは互いに「孤独」な存在であり、なんとなくハリネズミのジレンマっぽいような感触があったりもする。なんにせよ、非常に気に入った。
録音は ECM だけに文句はない。ただ、昔から ECM のピアノの音には微妙な違和感があるんだよね。オンマイク過ぎるような気がする。それにしても、独特の湿度のある空気が伝わってくる音は素晴らしい。ダイナミックレンジの広い曲なのでオーディオチェックっぽい用途にも向いてるぞ。まあ、この音楽を「音」のために聴くのはあまりに勿体無いけれど。