Sergei Bortkiewicz

今日届いた CD。
Symphonies 1 & 2
たまたま交響曲二番をネットラジオで聴いていいなと思って買ってみた。名前しか知らない作曲家だったが、調べてみたら二度の大戦とロシア革命で散々な目に遭った人らしい。このディスクに収められている二つの交響曲は第二次大戦前の、経済的にかなり困窮している時期に書かれたものだそうだが、スラブ度が高く濃厚かつ祝祭的な一番に対し、どちらかというと陰鬱で悲劇的な(第四楽章でいきなり明るくなるが)二番という対比に興味を引かれた。二番については作曲家自身のメモなどが失われていて詳しいことはよく分かっていないらしい。
どうもラフマニノフの亜流などといわれることもあるみたいだが、このディスクを聴く限りあまりラフマニノフっぽくはない。ほぼ同時代かつ当時既にアナクロであっただろうロマン主義的手法という共通点はあるが、ラフマニノフのような耽美的傾向はほとんどない。ピアノ協奏曲なんかだともっと雰囲気が違うのかな。どうもオレは「現代音楽」が生まれつつある、もしくは既にそういうカテゴリが存在している時代に現代音楽じゃない音楽を創っていた/いる作曲家に惹かれるようだ。自分自身がアナクロの権化の如きアナログ人間だからかもしれぬ。仕事の三分の一くらいはコンピュータ屋なのだが。
一応ここもオーディオ日記らしいので触れておくと、録音はダイナミックレンジは確保されているもののややこもった音で平凡。特筆すべき要素はない。演奏もごつごつしていて流麗さには欠ける気がする(元々こういう音楽なんだろうか)。