三つ巴

手持ちの DAC 三台をそれぞれメインにつないで聴き比べしてみた。DAC-AH は職場にあるので不参加。試聴に使ったのはヴァンスカ/ラハティ交響楽団シベリウス2番。あんまり細かい音質的差異についてはそれを語るべき語彙を持たないので避けるが、大体以下のような結果となった。

  • DAC-3……普通。いかにも普通。Jungson SACD 内蔵 DAC との差も大きくない。破綻はないし細かい音までよく拾うが、これでなければならない部分は稀薄。やや暗めの音がハイエンドっぽい演出と言えば言えるかな。
  • Constantine……粗い。弦の滑らかさなどはあまり表現できない。ダイナミックレンジは広く感じるのだが、やや平板にも感じる。楽器ごとの音の違いや木管の息遣いを伝えるタイプではない。そもそもこういうソースには不向か。改造で変わるかな。
  • dAck!……やはりこの中では水準の差がある。違いをうまく表現できないのだが、音の説得力というか浸透力といった印象面で大きく違う。距離感が得られるのはこれが一番だった。「音楽的」という表現は嫌いだし使いたくないのだが、あえていえば「音楽的」な DAC なのだろう。

というわけでオレの現有機器の中では dAck! がもっともよい結果を出しているといえるが、こんな組み合わせで聴いている人間はおそらく地上でオレ一人なのだし、他の組み合わせではまた違う結果も出るかもしれない。dAck! にはやや格の違いみたいなものも感じるが、値段も違うしなあ。だから dAck! が地上最強の DAC だと言い張るつもりは毛頭ないし、他の二台がダメなものだとも言わない。ヴァーサタイルであるか否かという面で言えば dAck! は最下位だし。
基本的にオレは「こういうものを導入したらこんな感じだった」とか「これをこういじったらこうなった」ということは情報として書いてるつもりだけど、自分が聴いている音はこうだ! ということを主張する気はない。「音は人なり」なんてことは信じていないし、まして他人を罵る趣味は持ち合わせていない。ので、へんに相対化したような曖昧な書き方になってしまうのだけれど。