一周年

Aurum Cantus Music Goddess と MeiXing MC805-AA を導入してほぼ一年である。特に Music Goddess には非常に満足している。アンプの方も乱暴なほどの豪快さは得難い個性で、他にこういう音のアンプは聴いたことがない。
Music Goddess はやはり G2 ツイータが全体の性格を決定していて、クリアだけど芯が強くて明快な音。気難しいところはないしジャンルも問わない。ロック系ががんがん鳴るのは嬉しい誤算だったが、とにかくこういうオールラウンドに水準以上の音を出してくれるスピーカーに出会えたのは僥倖だった。「次」を考えるのはまだまだ早いが、妄想の中では候補が上がっては消える。これより明らかにレヴェルアップした音を狙おうとするとオレの財力では無理だな。Aurum の Harmony は相当魅力的だが。逆に Aurum くらいしか候補になりえないんじゃないかって気がする。それくらいここのリボンツイータは魅力がある。Dynaudio の高音も好きなのだが、オレに必要な迫力を具えた大きなモデルになるとあんなもん一生かかっても買えやしない。
アンプの方は 1KV を越える高圧でトリタンフィラメントの高温が加わるという過酷な代物だが、一年間使い倒しても挙動は完全に安定していて全くノントラブル。球は総取り換えしたがそれ以外には特に手を加えていない。先に述べたように乱暴なくらい豪快なのが持ち味で、シングルとはいえ駆動力不足を感じたことはない。多極管 PP の Ella の方が余程繊細で穏やかな音だ。ので、もうちょっと滑らかさが欲しいとは思うものの、大抵のアンプではこれと比べると腕力不足に感じられてしまう。相当大規模な PP のアンプとか、MeiXing の上位機種に当たる 300B ドライブの 805 モノブロックくらいでないと納得できないだろうな。今まで聴いたことがあるアンプでは、大橋さんとこの SV-63 (6C33C-B PP) がとても魅力的だった。「次」があるとすれば多分 SV-63 になると思う。価格もまあ現実の範囲内だし。問題は MC805 にせよ SV-63 にせよ重量が 30kg コースなので、縦令買う金ができたとしても入れ替えが肉体的に大変だということである。
どちらにしても、アンプもスピーカーも不見転で買ったにしては例外的な成功だったといえよう。金も体力もないのでこの二つとはもうしばらくつきあうことになるが、それはそれで何の問題もないことではある。