真空管オーディオフェア

行ってきた。予定通り山本音響のインシュレータと、あと Sylvania 6L6GC のペアを買ってきた。フェア自体はまったく低調。「アジアンアンプ」という企画があったのだが、混んでて入れなかった。もっともラックスのアンプを鳴らすのに手間取っていたみたいだったから別にいいや。他に並んでたのも Audio Space とかだったし。
いくつかのメーカーの音も聴いたけれど、まったく琴線に触れるものはなかった。みていると、かつて日本が貧しかった時代にラジオや無線機を作っていたセンスのままで真空管アンプを作ってる感じなんだよな。文化的な背景がまったくないというか、生活感溢れる姿形をしているくせに生活の見えてこないじいさんたちの作るものが魅力的なはずはない。ああいうじいさんたちはおそらくロクに音楽なんか聴かないんだろうし。尾崎豊やマイ・シャローナが悪いとは言わないけれど、メーカーの音楽的な狙いとか背景を表す選曲ではない。音楽を知らないのだろうと思う所以だ。自分がかつて設計した回路に拘泥して、同じところをぐるぐる回って、新しい提案などできるはずもなく。ユーザの方など見ていないのだから。ユーザもまたタンゴやタムラのトランスが乗ってれば安心するようなじじいばかりだし。
今年からクラフトオーディオ大賞が無くなったのだって、賞を必ずサンバレーが持って行くから他のメーカーがクレームを付けるかなんかして廃止になったのは明らかだ。だって、あのフェアに来るかなりの部分はサンバレーの客または潜在的顧客で、そういう人たちの投票なんだからサンバレーに票が集まるのは当然だ。それはサンバレーが行ってきた提案や営業努力によって開拓された顧客層であって、そうやって突出した同業他社は潰すと。一方でサンバレーの販売力は魅力だから自分とこの売れない製品を売り込んだりもしているという二律背反。あくまで自分の目先の都合しか考えてないわけだ。もうあのフェアに存在意義はないと判断する。次は行かないな。