聴き比べ

手元に録音時期は違うけどアシュケナージ+ロンドン響のブラームス・ピアノ協奏曲一番が DDD の CD とアナログで存在する。両者を聴き比べてみると、アナログの方は耳ざわりな感じが少ない。アナログは67年という古い録音なので、サウンドステージとかダイナミックレンジとかいった HiFi 的な要素は明らかに劣るんだけど、逆にそれがうまくいってるみたいだ。いやな情報がマスクされてるのかな。それを差し引いてもピアノの音色自体はアナログの方がずっと自然だ。
スピーカーはリボンツイータで高域に特徴があるし、パワーアンプも送信管シングルの傾向としてのややパワーバランスが上よりな匂いがするわけで、両者の個性がうまくはまればいいけど、ピアノコンチェルトというカテゴリのソースはそれがぶつかってしまうことが多いのかもしれない。測定すればずっと数値としては劣るアナログの方が聴感上は低歪みにきこえるのも、使いこなしのレヴェルの問題なんだろうなあ。