プリアンプ

一方プリアンプだが、それなりに焼き入れも進んできたところだと思うので初期総括。
フォノアンプの球を WE396A、フラットアンプ部にはオランダ製笛吹童子のゲッターやプレートの形状が同じものをかき集めて使い、整流・安定化電源用の 6N6P も付属の中国球から露球に交換している。どの球も、付属の中国球だって決して悪くはないのだが、特にフラットアンプ部は古い笛吹童子の音が好きなので。あと電源ケーブルCSE AC350SX とフルテックのコネクタを使った自作。

この状態で、フォノアンプのノイズがやや大きいことを除けば非常に満足している。このプリアンプにするまでは、プリアンプのあるなしは音の好みが多分に左右する事柄だと思っていたけれど、MC67-HA にすると、プリアンプがあった方が明らかに音がいいのである。多段増幅の強力なプリアンプは初めてだということもあるのだろうが、強弱のメリハリやステージの前後方向の空間的配置がはっきりするので気持ちがいい。逆に言うとパワーアンプ直結だと何となくのっぺりしてしまう。スピーカーに音が貼り付いてしまうというか。
とにかくこのプリアンプを購入したおかげで、全体の柱がしっかりしたといえる。問題は、駄目な録音が本当に駄目なことで、古い録音でも中身が好きなものが結構あるのに、そういうのを聴くのが苦痛になってしまったこと。もうちょっと forgiving にしたいなあ。その意味では 805 シングルアンプはちょっと神経質に過ぎるのかもしれない。ダイナコが気持ち良く聴けるのはそのへんを適当にマスクするからなんだろうな。KT88PP や EL34PP みたいなアンプの方がオレには向いてるのかなとか思ったり。