EL3NPP 完成

無事完成した。当初出力管のうち1本だけ電流が流れず悩んだが、単にグリッド抵抗がちゃんとアースされてないだけで、そこを修正したら問題なく動いた。

回路図。

音は分厚くて元気のある音で、低音がもりもり出る。簡単に計測した感じでは低音はそれほど下まで伸びてなくて、一方15kHz〜20kHz に山があるが、聞いた感じではそういうデータとは違う印象を受ける。山を潰すために補正を強くしてもいいけど、しばらくほっとくかなあ。ゲインは 11dB くらいの NFB をかけた上で 26dB くらい、出力は THD=3% で 5W くらいだが、そこから急速にクリップする。五極管らしいハードクリップである。電源トランスが小さいので出力管を控えめに使っているが、5W 出れば充分だろう。1kHz1W で歪率が 0.3% くらいなのでまずまず。
初段を 12AX7 1本で済ませたのに実用上必要な負帰還をかけた上でこれだけの利得が得られるのは、EL3N の gm が高いおかげである。バイアスも浅いので非常に使いやすい。確か 1936 年発表の球だが、ヨーロッパではこの時代にこれだけの球を作っていたのだなあ。規模自体は 42 クラスだが、いろんな意味で格が違う。